『電波的な彼女』
- 作者: 片山憲太郎,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/09/22
- メディア: 文庫
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根は善良な不良の柔沢ジュウ。
ある日彼の前に堕花雨と名乗る少女が現れる。
前世からの貴方に仕えていたと主張する雨に辟易しながらも、ズルズルと雨に付きまとわれる生活を続けるジュウ。
そんな折、クラスメートが連続殺人に巻き込まれ事により、彼は自ら殺人鬼を見つけ出そうと動き出す。
わりとスラスラ読めてしまった。
ちょっと変な感触だな、これ。
全体的に渇いているような、それでいて湿気っているような、決してベトベトしていないんだが、触ると「うっ……」と呻き声が出るような。
なんだろうなぁ〜。
作中と同じで梅雨時みたいな不愉快さというか、シャッキリしねー感じ。
犯人の動機は割と納得できてしまい、あんまりサイコサイコしてない。
別にそれはそれでいいんだが、これでいいのかと首を捻りたくなったりもする。
タイトルの”電波”な彼女だが、全然電波じゃないじゃないか。
よりにもよって王道の幼い頃の出会いだぜ……。
しかも前髪どけると美人さんって。
あまりにもベタな設定だが、まぁ目を瞑ろう。
一瞬の出会いを運命の出会いに捻じ曲げるにはあぁいう設定もありだろうから。
ただまぁ、その欺瞞を貫きつづけた結果、実の親に接する態度を”仮の姿”とか言っちゃうあたりは電波かもしれない。
主人公の善良さを考えれば、普通に再会すれば良かったんじゃねーのかとも思った。