『謎亭論処』

謎亭論処―匠千暁の事件簿 (ノン・ノベル)

謎亭論処―匠千暁の事件簿 (ノン・ノベル)

安槻市を舞台に起こる不思議な事件の数々を、お馴染みの四人が酒を飲みつつ解決していくタックシーリズの短編集。



各話ごとに時間軸がバラバラなので、それぞれの話で登場人物達の立場が全く違ったりする。
この本に収録されている事件そのものに関連性は無いんだけど、他の短編や長編とは少しづつ関わりがあったりして、シリーズ通して読んでいた方がやっぱり面白いかな。
あぁ、これはあの話の後か――とか、まぁ色々。
そして内容はやっぱり暗い。
内容というか、犯人の動機が。
人間の嫌な面をこれは実際にありそうだなというギリギリの所まで見せるのはさすが。
救いは解決する面々が結構お気楽ってことだろう。
酒を飲みつつあーでもない、こーでもないと妄想をこねくり回す過程はなかなかに楽しい。