『世界の終わり、あるいは始まり』
- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
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東京近郊で小学生低学年の児童が誘拐され、殺される事件が立て続けに起こる。
気の毒な話ではあるが自分には関係無い話だと気楽に過ごしていた富樫修。
ところがふとした事から実の息子が事件に関わっているのではと疑い始めて……。
うわ、そりゃないだろ!!!!
もう笑うしかない。
確かに帯にある通り問題作だよ、こりゃ。
以下反転。
息子が犯人なのではと思い詰める父親の苦悩。
それはわかるんだが、それにしても想像の翼を広げ過ぎだろ……。
一回目の妄想で見事に騙され、そのオチにガクッと透かされたがお陰でこの本のルールはなんとなく理解した。
そうなるとその後が辛い――というか全部がアレだとこっちは知っているせいで緊張感が全くない。
あぁ、どうせこれもそれも妄想なんだろみたいな感じでダラダラと。
終盤に近づくにつれ、どうやって事件を〆るのかと思えば謎のまま。
ありかよ……。
そりゃこの話のメインは親父の苦悩なのだから、真相はどちらでもいいといえるかもしれないがなんとなく釈然としない。
反転終了。
そういや、パンドラの箱の解釈はあれでいいのだろうか。
箱の中に最後に残された”希望”の意味。
あれは全く前向きなものなんかじゃなかったと聞いたような。