『女王様と私』

女王様と私

無職でロリオタの引きこもり真籐数馬。
ある日彼の前に女王様然とした少女が現れた。
彼女に付き合っていくうちにとある事件に巻き込まれ……。

うぉい！！
またこんなのかよ！
はぁ……。
主人公の年齢とか、女王様の年齢が唐突に明かされるところなどは、確かに意表を付かれたが、それもなんだかね。
主人公からはオタ臭はあんまり感じられず、ただのイタイおっさん。
言ってしまうと他のキャラもあんまり魅力的じゃないしさ。
人物造詣があんまり上手くないのかな……。
言葉使いや態度とか、形としてはオタクなんだけど実際はそういうイメージが沸いてこない。
そういった借り物臭さが鼻についたのに加えて、あの真相。

以下反転。
妄想内部とはいえ、狂気というにはやけにアッサリしすぎていて、あぁいう醜悪さや不快感ならこの前読んだ『幸福ゲーム』の方が遥かに上だった。
そもそも、これってなん意図があって書かれたんだ？
逃避してるだけの話だろ……。
話題になるほど奇抜な物語でもないと思う。
最後の親殺しなんかはわりとありそうな話だとは思うしさ……。
言いたくないが『世界の終わり、あるいは始まり』と大差ない。
むしろ驚きではあっちの方が遥かに上。（と同時にダルさも向こうの方が上だったが）
キャラクターで売るにはショボイしさ。
中途半端な。
反転終了。

普段ミステリーをあんまり読まないというか、その意味を深く知らないものとしては、ミステリー界の問題作というのがこの程度でいいのかという思いがどうしても拭えない。