『わたしたちの田村くん』

わたしたちの田村くん (電撃文庫)

わたしたちの田村くん (電撃文庫)

中3の夏に出会った少女は月に帰りたいと願う不思議な子。
高1の春に出会った少女は人の部屋に石とチョコを投げ込むツンケンした子。
好きになってしまったから、関わってしまったから。
だからまぁ、なんか田村くんは走り回ったりする。



ネットで評判だったので読んでみた。
おぅい、面白いよ?!
まぁ、冷静になってみても本当におもしろい。
読む前は田村君(きっと生真面目)が振りまわされる話なのかと思ってたんだが、当の田村君は相当いかれた性格で思い立ったが即実行の男だった。
好きな子が弱っていると知ると熱く叫ぶし、気になる子がボロボロのときは駆けつけて一緒にいるし。
なんだ、田村くん、君はすげーいい奴じゃないか。
まぁ、なんだ、あれが二股になるかどうかは微妙なところではあるけども。
丸めた手紙が自分の心だと言う彼は素晴らしい。


そしてヒロイン二人も可愛らしい。
どっちも心に傷を負っていて、それにめげる事も在るけど立ち直っていく彼女たちはまぁ魅力的だ。
かたや天然系、もう一方はツンデレ系。
どっちという事も無く、あぁ、なんか別々の話と読みたかったと切に願ってしまう俺だった。
どちらかは失恋するんだろ。
ガックリだ。


脇役連中も良い味出してる。
田村家の人々も、親友も、そして青い果実が……!!
俺も「よろぴこ」なんて言う完全なる死語を平然と語っちゃう保健医に出会いたかった!!
全然青くないちゅーの!!
あんた、熟れ熟れだよ!!